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ざくざくアクターズの感想・ハグレまとめ・その1

ざくざくアクターズ

 

ざくざくアクターズというフリーゲームのキャラクターについてまとめたいです。

ゲームの説明はしません。すでにプレイした人向けです。ネタバレがあります。

プレイしたのが少し前だからうろ覚えのところもあります。

 

①ハグレとは?(ざくアクの世界観)

物語の舞台は、召喚術によって異なる世界からさまざまな人・モノ・技術が呼び出され、それによって発展してきた世界。

そうした発展の一方で、無節操な召喚が繰り返された結果、呼び出されたものの特に仕事や居場所を得られない存在、「ハグレ」があらわれていた。ハグレは得てしてその世界の元々の住民(以下「非ハグレ」と呼ぶ)よりも強い力を持ち、魚人や獣人のように姿形が人間とは異なるものもいる。

個々の能力は高いものの圧倒的に少数派のハグレは非ハグレ達から迫害を受けていて、物語の始まる前には不満を持ったハグレ達が蜂起する「ハグレ戦争」も起こっていた。

ざくざくアクターズのストーリーは、ハグレが迫害されている世界の端っこにある辺境の遺跡で、デーリッチとローズマリーが自分たちの、ひいてはハグレたちの居場所を作ろうと「王国」を立ち上げるところから始まる。

 

 

②ハグレ王国民たち

ハグレ王国民たちがハグレか非ハグレか、ハグレであればどういつ状況にいたのかみていく。

できるだけ公式設定と区別するけど、かなり妄想が入る。

 

1.デーリッチ

ハグレ王国の王様で、いうまでもなくハグレ。ずば抜けた回復魔法や身体能力の高さ、キーオブパンドラを使いこなす様子からハグレとしてのスペックの高さを伺える。

語尾の「〜でち」はサハギンの「〜だぎゃ」と同じような「方言」なんだろうか。

見た目は人間の子どもで、喋り方のほかにハグレっぽさはない。

 

・ハグレ王国まで(それでも一目で「ハグレ」とわかるということ)

ローズマリーは初めてみたときから「ハグレ」だとわかっていたようだけど、それはどうしてだろうか。

もしかしたら彼女は、見た目の「みじめさ」から判断していたのかもしれない。「あんなところで子どもが薄汚れた格好で小さなパンをかじっている」ことこそがデーリッチをハグレだと思った理由で、その背景にはハグレはそういう「みじめ」な状況に置かれているものだという認識があったのかもしれない(青い髪と赤い瞳からそう判断したのかもしれないが、エステルやローズマリーの髪色を見ると弱い気がする)。

そんなみじめな状態にあったことや異世界編でのたくましい対応を見るに、かなりハードな生活を送ってきたようだ。

ローズマリーと出会ってから建国までは、魔物退治やローズマリーのギャンブルでなんとか食いつないでいたが、それでもローズマリーにケーキを強請ったりする余裕はあったらしい(デーリッチが店先のケーキをじっと見ているのに気がついていたローズマリーが自分の分け前をちょっとずつ貯めて材料を買って、実家にいたとき食べた味を思い出しながら一生懸命作ったケーキがデーリッチがあの世界にきて初めて食べたケーキで…それ以降デーリッチはたびたびローズマリーに手作りのお菓子を所望する…とか想像するとかなり良さがありますね)。

 

・ハグレ王国(救い/救われて)

そんな彼女がローズマリーのプリン二倍デー宣言に喜んだり、夕飯前にイリスのジャンクフードを食べて怒られちゃったり、ゴールデンデーリッチ像を作るんだけど一方で王冠はそのままだったりする。デーリッチはいつも誰かを救う側だけれど、彼女もやっぱりハグレ王国に救われている。

スカイドラゴン戦でローズマリーが間に合ったこと、シノブパパ戦で「ハグレ王国」として/とともに戦ったこと……、ローズマリーのいうように人とのつながりこそが彼女の最大の武器で、誰かを救うことで巡り巡って救われている。

 

 

2.ローズマリー

デーリッチの保護者兼相棒にしてハグレ王国の参謀。でも実はハグレじゃない。

苔とデーリッチへのラブがすごい。

 

・デーリッチと出会うまで

父親の再婚相手が最悪だったせいで家庭環境が崩壊し、家出をする。薬師だった父親から薬の知識を学んでいたため自力でなんとか生きていけると思っていたがそんなことはなく、空腹で朦朧としているときにデーリッチと出会った。

上述したような認識のもと、極限状態のローズマリーは非ハグレの自分が「みじめ」なはずのハグレよりみじめで空腹なのはおかしいと思い、デーリッチを襲ってしまった。

が、やはりハグレに非ハグレの子どもが腕力で勝てるわけはなく返り討ちにあう。

その上でデーリッチからパンをわけてもらい、それ以降「こんなことをするのはバカだ」「優しくて正しいのにどうしてバカだといわれるんだ」「こんな優しいやつがバカをみることがないように」とデーリッチと行動をともにする。

このことは未だに夢に見ることがあって、そういう日はプリン二倍デーにしたりとデーリッチに「妙に優しい」。

強い絆で結ばれている二人だけど、実はその出会い方はローズマリーにとり「ハグレと非ハグレ」の対立そのもので、デーリッチがそれを飛び越えてみせた優しさ/バカ/お人好しによってハグレ対非ハグレという枠組みを越えた関係が始まった。

 

・ハグレ王国まで

その後建国までは上述したように魔物退治とギャンブル(ボードゲーム)で生活していく。おそらくどちらもローズマリーにとってはギリギリの綱渡りだった。

魔物退治においては「ハグレ」の相棒と肩を並べるために炎と氷の二属性魔法を身につけた。これは非ハグレとしてはかなり「無理をしている」行為であり、そのせいでマナ欠乏症になることもあった。

ギャンブルもかなりのストレスを伴うもので、無敗といっていい戦績だったが、勝負の前日から食事を絶つほどだった。

ギャンブルのストレスはデーリッチにも気づかれていたけど、マナ欠乏症のほうは隠し通せていたらしい。これが発覚するのはトゲチーク山岳地帯での撤退戦のときだった。

 

・非ハグレでありながら彼女と並びたつ

建国後はハグレ王国の参謀役として戦術戦略から王国の経済・内政・外交に至るまでなんでもこなす。留学に来たばかりのヅッチーから「ローズマリーの負担が重すぎる」「あいつが倒れたらどうするんだ」と心配されるほど。

その立場からか、(自分から明かさないという程度ではあるけれど)自らが非ハグレだということは隠している。

ハグレも非ハグレも受け入れる王国民の気風や王国の理念からすればそれこそ「どっちでもいい」ことなんだろうけれど、それでもそうしているのは勧誘や外交のときその方が便利だから(ハグレからの信頼を得やすい)、くらいのことだろうかとも考えられる。

ただ、さっきいった「二属性魔法」を修得していたことを考え合わせると、便利だからですませることが出来なくなる。

彼女が無理をしてまで二属性の魔法を使っていたのは強者たるハグレたちと一緒に戦うためだ。一見するとハグレ王国民としてハグレたちと並び立つためにそうしていたのだと読み取れるが、ローズマリーは物語が始まったとき、すでに二属性魔法を使えていた。

つまり彼女は「デーリッチと並び立つために」無茶をしていた。それも、デーリッチに悟られずに(持ち前のワンダーセンスで触れなかっただけかもしれないけど)。

それは魔物との戦いの場においてだけではなく、日常生活の場面でもそうだ。ローズマリーが「人間離れした」強さであれば、すなわち若くして二属性魔法を易々と使いこなすような者であればこそ、ハグレたるデーリッチと同等の存在=ハグレとして扱われる(もしローズマリーがただの薬師や一般的な魔法使いであったなら、彼女はハグレと思われることもなく、あのコンビは「ハグレと非ハグレ」と受け止められていただろう)(ローズマリーがときどき見せるあの「凄味」は、自分を強く見せるためのハッタリとして身につけたのかもしれない)。

それは当然ハグレとしての迫害を伴うが、そうしてあの世界における非ハグレとしての特権を捨てて初めて、ローズマリーはデーリッチと並び立つことができる。ともに魔物と/世界と戦うことでようやく「強いけどバカでお人好しなハグレを頭のいい非ハグレがいいように使う」という構図から抜け出せる(異世界編でデーリッチが置かれたのはまさしくそういう境遇だった)。

ローズマリーがそうまでしてその構図から脱し、デーリッチと並び立とうとしたのは、彼女との関係の根幹にある嫌悪感・罪悪感、そして「こいつがバカを見ることがないように」という希望のためだった。

そう考えるとめっちゃもえる。

 

 

つづく。